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リアルバクテリアの概要
リアルバクテリアは純粋培養された10種類のバクテリアを冷凍乾燥、完全休眠状態で天然石粉末に坦持させています。
バクテリアの種類
バクテリアには大きくわけて「好気性細菌」と「嫌気性細菌」の二種類があります。
- 従属栄養細菌
- 有機物を無機物に転換。タンパク質や炭水化物、脂肪を無機物に分解。
- 独立栄養細菌
- 無機物を更に細かく分解。アンモニアを亜硝酸、硝酸塩、窒素ガスへ転換。
炭水化物や脂肪は最終的に酸素、炭素化合物、硫化物などに変換。
- 通性嫌気性細菌
- 酸素が有無に関わらず脱窒作用を行う。
- 偏性嫌気性細菌
- 酸素が無い状況で脱窒作用を行う。
※脱窒とは、有機物の最終物質である硝酸塩(池に多量に溜まるとコケの発生、病気の原因になります)を亜硝酸塩に戻し、更に窒素ガスにして空気中に放出させる事です。カビ類などの発生を防ぐ物質(天然抗生物質)を生成する細菌も含まれていますので雑菌やカビの発生を防ぎ魚病防止にもなります。
好気性バクテリアの働き
タンパク質→アミノ酸→アンモニア→亜硝酸塩→硝酸塩
通常水換えをしなければ硝酸塩はドンドン水の中に蓄積し、活性炭やゼオライトなどを使用しても吸着できません。硝酸塩が溜まるとpHが下がります。
通性嫌気性バクテリアの働き
- 亜硝酸塩を窒素ガスに変換して空気中に放出。
- 硝酸塩を亜硝酸塩に戻しその後亜硝酸塩を窒素ガスに変換して空気中に放出。
硝酸塩が溜まればpHが下がりますが、硝酸塩が従来の1/4しか溜まらないので、pHは非常に安定します。pHが安定するという事は、人間に例えれば年中温暖で湿度も低いハワイのような気候で、最適環境といえます。飼育水でpHが酸性化すると魚たちの粘膜が溶け、pHがアルカリ気味になると魚たちの粘膜が剥がれます。これだけでも魚たちの体力は消耗されますし、ストレスも溜まります。粘膜が少ない、もしくは無い状態なので、運動性のエロモナス菌や非運動性の穴あき病原菌などは、魚たちの体内に侵入しやすくなります。
偏性嫌気性バクテリアを活動させるためには、大掛かりな設備を必要としました。この細菌(バクテリア)に、餌としてエタノールを定期的にやる必要があるからです。また脱窒(硝酸塩を亜硝酸に戻しそれから窒素ガスにして空気中に飛ばすこと)スピードは大変遅く、効果もあまり期待できませんでした。しかしリアルバクテリアに配合されている通性嫌気性バクテリアは、好気性バクテリアの分解スピードの20倍と言うスピードで硝酸塩を分解していきます。
エサ→タンパク質→アミノ酸→アンモニア→亜硝酸塩⇒硝酸塩(好気性バクテリアが処理します。酸素があるところで仕事します。)
硝酸塩→亜硝酸塩→窒素ガス(通性嫌気性バクテリアが処理します。酸素があるところで仕事します。)
硝酸塩を減らすためには今まで水替えしか対策はありませんでした。硝酸塩蓄積=pH低下とかんがえると、やはり汚染を防ぎ病気予防するためにはバクテリアが必要なのです。
アンモニア、亜硝酸塩には注意!
アンモニアや亜硝酸塩は非常に有毒なので、早目に処理しないと魚が病気になってしまい、最悪死に至ることがあります。
アンモニアについて
まずは簡単にアンモニアについて説明します。
魚たちの尿だけではなくて有機物(残エサ、糞尿、枯葉、プランクトン・微生物の死骸等)が分解されるとアンモニアになります。
- アンモニア
- 0mg/l 理想的な数値
0.25mg/l 長期的には魚に有害
1.5mg/l 魚に危険な状態
アンモニアが理想的な数値を超えると、呼吸困難、眼の白濁、遊泳困難、水槽の底に横たわるなどの症状が出ます。アンモニアは魚たちの尿から発生しますが、食べ残しのエサからも出ますしエサが水に触れた瞬間からエサの成分であるタンパク質が水に溶けていきます。
できれば、エサは1回で食べつくす量を数回に分けて与える方がいいです。
アンモニアの発生について
それでは、体内に取り込んだエサを分解する過程でアンモニアが発生する事について説明します。
タンパク質がアミノ酸に分解されその後アンモニアが発生します。この分解は魚たちの全身の細胞で起こります。また体内で分解が最も盛んに行われているのは腸管で酵素や腸内細菌の働きにより行われています。この腸管で発生したアンモニアは腸壁から血管に吸収されて余剰分は肝臓で尿素に返還されて尿と一緒に排出されます。
食べ残しのエサや、エサから溶け出したタンパク質は、濾過槽に流れ込み、従属栄養細菌の働きによりアミノ酸に分解されたのちにアンモニアに変換されます。
アンモニアと水質
アンモニアが発生した際に、濾過槽をセットしたばかりの場合や、濾過槽を大掃除した直後だった場合、従属栄養細菌の数が少ないので水が白濁する時がありました。しかし、仮に少しでも従属栄養細菌が残っていれば通常のバクテリアに比べて繁殖スピードが速いので、エサを数日止めておくだけで水は自然にきれいになっていきます。
水がよく白濁した場合に光合成細菌などを使用すると、一瞬はきれいになります。しかし従属栄養細菌と光合成細菌を比べた場合は、明らかに従属栄養細菌の方が強く、既に従属栄養細菌が濾過槽に繁殖していれば光合成細菌は生きていけないので、濾過槽に投与する端から死んでいき、水の汚れとなってしまいます。
光合成細菌のエサは、悪臭の強い硫化水素です。セット初期や大掃除した後に水が白く濁った場合などに使用すればよいですが、そもそもこのような状況になること自体飼育管理者の責任です。
新しく水槽をセットした場合には、最低1週間待ってから魚を飼育し始め、濾過槽を大掃除した場合、エサをしばらく止めておくという対応で、水が白く白濁する事はなく、生物ろ過をしっかり準備すれば濾過槽内に汚れが大量に溜まることもありません。
水を汚す有機物の量と水をきれいにしてくれるバクテリアの数とのバランスを見る事です。水面の白い泡の有無、水の透明度など簡単に目視で出来ます。一番良いのは水質テスターで調べる事です。
亜硝酸塩について
次に亜硝酸塩について説明します。
アンモニアがバクテリアにより分解された形が亜硝酸塩です。
- 亜硝酸塩
- 0.1mg/l 理想的な数値
0.15mg/l まだ許容できる状態
0.25mg/l 水質に問題あり
0.5mg/l 魚には長期的には有害
亜硝酸塩の症状はアンモニアとよく似ており、魚に見られる中毒症状としては、呼吸困難、眼の白濁、ふらふら泳ぐ、水槽の底に横たわるなどです。
有機物が分解される過程においてアンモニアが発生し、亜酸塩になりますが、水中における環境下においては、亜硝酸塩を分解するバクテリアが活動しにくい状況になりやすい場合があります。
多くは適切な濾過材を使用していない場合や、濾過材が目詰まりした場合などです。
魚と亜硝酸塩
魚たちは、皆さんが御存じのようにエラによって水中に溶けている酸素を摂りこんで生きています。
魚には「ヘモグロビン」という赤血球に含まれている血色素で、酸素を体内に運搬する役割をするものがあります。ところがエラから侵入した亜硝酸塩は、ヘモグロビンと簡単に結合してしまうため、本来の仕事である酸素運搬作業が出来なくなり酸欠、死亡となるケースもあります。亜硝酸塩数値が低い場合でも「脱力・めまい・頭痛・多呼吸・意識低下」などの現象が起きます。生物濾過が満足に行えないとこのようなケースになる可能性が多いにあります。
例え見た目に水がきれいでも、目に見えない有毒物質が魚たちの生命を脅かしているのです。魚たちの健康を守るために、必ずリアルバクテリアや濾過材で、濾過を強化してください。リアルバクテリアには、亜硝酸塩を窒素ガスにして空気中に飛ばす、大変優れたバクテリアも配合されています。
亜硝酸塩の濃度が上昇すると、魚たちの成長は鈍り、当然色艶にも影響が出てきます。アンモニアを例にすると0.25mg/Lで水質に問題ありですから、500ml入りのペットボトルだと0.125mg/L、目薬2.5滴(1滴=0.05ml)分ほどになります。500mlペットボトルにアンモニア2.5滴で、もうかなり危ないレベルなのです。これは亜硝酸塩でも同じです。
まだこれ位…と思っていたら、翌日には更に悪い数値になる危険性が高くなります。少々水を換えてもこの数値レベルを下げることは出来ませんし、まったくもって改善にはなりません。それは生物ろ過が効いていないからです。
更に(極論かもしれませんが)人間で例えてみますと、部屋の中に息苦しい位の排気ガスが充満し、その中で呼吸をしながら、毎日生活ができますでしょうか?
人間も本当に息苦しいと思いますし、魚たちのアンモニアや亜硝酸塩の中毒症状と似た症状、いわゆる呼吸困難、食欲減退、歩行困難、横になりたい、気力喪失などの症状になると思います。
これを魚に置き換えて考えると、食欲が無いのでエサ喰いが悪くなる、ふらふら泳ぐ、病気に対する抵抗力が無くなり様々な病気になりやすい、などのことが容易に想像できます。こんな水質のまま、エサ喰いが良くなれとか、色が良くなれとか、艶がもっと出れば良いと期待する方が無理なのです。
可愛い魚たちともっと気遣ってあげてください。魚たちと水の状態を出来るだけ観察してあげてください。出来れば水質テスターで計測してください。
病気予防にバクテリア
病気になりにくい環境はAとBのどちらでしょう?
- 環境A
- バクテリアの数が多く活発に活動しているので病原菌が少ない。
- 環境B
- バクテリアの数が少なく活動が弱いので病原菌が多い。
※バクテリア・・・硝化バクテリア
簡単ではありますが、こうして見ると意外と分りやすいですね!
答えは「環境A」ですね!
バクテリアと病原菌の関係
「バクテリア」と「病原菌」を見ると意外なことが分ります。
「バクテリアが多いと病原菌は少ない。バクテリアが少ないと病原菌は多い。」
何故か反比例していますね!バクテリアが、正常に適正な数だけ活動することにより全ての有機物を分解するのでヘドロが非常に少ない。ヘドロは、病原菌製造工場ですからヘドロが少ないという事は、病原菌が少なくなります。
病原菌の密度(濃度)が少なければ病気になりにくい。
なにより水質が良いので病気に対する免疫力が高いし、おまけに病原菌の密度(濃度)が低いですので当然病気になりにくい環境になります。人混みの中では「風邪の菌」をもらう可能性が高く、空気の良い田舎へ行けば行くほど「風邪の菌」に出会う可能性は低くなるのと良く似ています。
バクテリアと水質
バクテリアはすべての有機物を分解するので、pHも安定します。pHは、6.8~7.2の間の数値が一番安定状態です。pHが、下がるとバクテリアの活動が鈍り、多くのバクテリアは死滅します(pH4など)。そうなると水質が悪くなり餌喰いも悪くなり成長も鈍化します。
よく、病気予防のために薬品が使用されていますが、たとえ薄めに使用しても、エラには相当なダメージがあります。というのも、魚の体の中で唯一粘膜に守られていないのがエラなのです。
ダメージを受けたエラにより呼吸をする事は魚たちにとって相当苦痛であり体力を消耗します。体力消耗は免疫力低下に繋がり、病気を発生させます。
薄めの薬品投与でも、バクテリアもある程度死滅します。バクテリアの数が減れば、病原菌の数が増えというのは先述の通りです。確かに薬品投与により病原菌は少なくなるとは思いますが、バクテリアも死滅しますので、やがて水質が悪くなってきます(病原菌にとっては最適な水質)。魚たちのためを思い善意でやっている事が、逆に魚たちを危険な環境に仕向けているのです。
バクテリアは世界最高の病気予防品
自然界には、病原菌のいない水はありません。例え南洋のあの綺麗なブルーに輝くビーチの海にさえ病原菌はいます。ですから、出来るだけ病原菌の住みにくい水質を作ることが、魚たちが病気になりにくい近道なのです。
バクテリア(善玉菌)が多ければ病原菌(悪玉菌)は、少なくなります。
魚たちのためにバクテリア、水質安定のためにバクテリア、病気予防にバクテリア!
そうです!病気予防にバクテリアなのです。
意外ですが、これが世界最高の「病気予防薬品」です。これからは「病気予防にバクテリア」の時代です。我々でも風邪予防のために毎日風邪薬を飲んでいると胃を痛めてしまいます。それなら毎日バランスの良い食事をしたほうが、断然病気予防になります。
薬品投与する前に思い出してください!病気予防バクテリアの事を!
魚たちの水質と病気について
水質浄化→水質安定→pH安定→粘膜活性化→粘膜細胞が、病原菌を固めて洗い流す成分を作り出します。このように生物濾過が機能していれば病気予防につながります。
水質浄化をすることによりpHが、安定してきます。
生物濾過が不十分だとフィルターマットやブラシ部分に溜まった有機物(エサ、魚のフン、粘膜など)が溜まりやがてヘドロになります。こうなるとpHは、確実に下がってきます。またヘドロの中の硫化物が、振動などで硫化水素が出て来るので魚たちにも悪影響が出てきますしpHも低下してきます。
pHが酸性に傾いた場合
pHが酸性に低下した場合における魚の粘膜について説明していきます。
皆さんも強力な塩酸で皮膚が溶ける事はご存知かと思いますが、人間の皮膚も魚の粘膜もタンパク質で形成されています。従って、水質が酸性に傾くと粘膜が溶かされ、表皮を防御するすべを失った魚の体内に病原菌が入りやすい状態になります。
pHがアルカリ性に傾いた場合
もしpHがアルカリ性に傾いたらどうでしょうか?
表面の粘膜が剥離して取れ始めますが、完全には剥がれません。粘膜が浮いたような、下の粘膜から剥がれ落ち尾を引いたように垂れ下った粘膜を引きずりながら泳ぐような感じになります。
その際に、常在菌である穴あき病の原因菌であるエロモナス菌(※)が、剥がされた粘膜に付着したまま魚は遊泳しています。こうなれば魚は、水質が悪化しているために粘膜細胞から病原菌を固めたり洗い流す成分を出せません。そのためエロモナス菌は健在で、粘膜に付着したままになります。 そして次に、剥がれてはいないが非常に弱った粘膜(水っぽい粘膜など)から、常在菌である運動性エロモナス菌などが侵入、魚の体内にまで入り込んで病気を発症させてしまいます。
このように、水の中には常在菌と言われる病原菌が数多く存在しています。水質浄化により粘液細胞を活性化させ更にリアルミネラルの効能により病原菌を未然に防ぐことが出来るのです。
※エロモナス菌…淡水中の常在菌で、鞭毛を持たずに運動しないsalmonicida(穴あき病の原因菌)